お墓やSNSで見かけるR.I.P.|意味や使われ方を解説

投稿:2022-01-05
お墓やSNSで見かけるR.I.P.|意味や使われ方を解説

SNSなどで、「R.I.P.(アール・アイ・ピー)」という言葉を目にしたことはありませんか?そのほかにもハロウィンがグッズやイラストの中にもよく使われています。

日本ではあまり見かけない言葉ですが、海外では若者を中心に使われているインターネットスラングです。

もともとは、ラテン語の「requiescat in pace」の頭文字をとった言葉で、「安らかに眠れ」という意味があり、墓石に刻まれることもありました。

「R.I.P.」の意味や由来、現代においての使われ方など詳しく解説します。

「R.I.P.」の意味や由来を解説

意外にも、若者に匹敵するほど略語を使うのがカトリック教会です。R.I.P.と同じく、頭文字を用いた略語がたくさんあります。

  • INRI :Iesus Nazarenus Rex Iudaeorum(イエスの十字架のラテン語の碑文から/ユダヤ人の王、イエス・キリスト)
  • BVM:Beate Virgo Maria(聖母マリア)
  • CATH :Catholic(カトリック教会)
  • Bl. :Blessed(祝福された)
  • Fr.: Father(神父)
  • D.V. :Deo volente /God willing(神の思し召し)

神戸市立博物館所蔵の聖フランシスコ・ザビエルの像の中にも、イエス・キリストをあらわした略語が2つ描かれています。

神戸市立博物館 / 重要文化財

これには当時の時代背景が関係しています。

聖書など本の作成に用いた羊皮紙は作るのに手間がかかり、大変高価なものでした。

そこで少しでも多くの言葉を載せるために、省略することを考えついたのです。

絵画や彫刻においても同様で、大理石や青銅といった素材は高価かつ貴重であり、のちに長文のフレーズが好まれる時代がくるまで、彫刻や絵画の中でも文字に関しては略語が使われたのでした。

「R.I.P.」とは「安らかに眠れ」という意味

R.I.P.とは英語で、「Rest in pace(レスト・イン・ピース)」「May  rest in pace / 安らかに眠れ」という意味で、ラテン語の「Requiescat in pace」(ラテン語:レクゥイエスカティンパーケ / 教会:レクゥイエスカ イン パーチェ)が由来です。

キリスト教では肉体的な死は終わりではありません。

聖書の中でも亡くなった信者を眠る人と表現している事からもわかるように、肉体的な死は終わりではなく、最後の審判の日が来るまでお墓の中で眠ります。

魂は先に主の元へ行きます。「Rest In Peace」とは、魂と再び一つになって復活する最後の審判の日まで、肉体はお墓の中で安らかに眠って待っていてくださいとの意味なのです。

キリスト教初期の教会地下の埋葬墓地内には「Dormit  in pace(彼らはここに眠る)」とのフレーズが登場しており、この「pace」は安らかに、ではなく、安らかな教会で亡くなったことを意味しています。

その後、死者の休息のために神に捧げられた祈りであった「requiescat」へと代わり、形はR.I.P.へと変化しました。そして安らかにお眠りくださいとの意味になったのです。

このフレーズは8世紀には登場し、ラテン語で墓石に刻まれているのが確認されています。その後、1700年頃にはポピュラーになっていました。

Rest In Peaceは主にカソリック・英国国教会・ルーテル派・メソジストのお墓に刻まれます。

このフレーズは死者のために神に捧げる祈りとして、カトリックと英国国教会のレクイエムの儀式にて復唱されます。

Catholic Prayer: Prayer for the Dead – 2
Requiem aeternam da eis Domine,
Et lux perpetua luceat eis
Requiescat in pace
Amen

※主よ、彼女/彼に永遠の休息を与え、永遠の光に照らしてください。安らかに眠り給え。アーメン。

ラテン語「requiescat in pace」のバクロニムという意味とは

R.I.P.は元々ラテン語の「Requiescat in pace」のバクロニムです。

バクロニムは二文字以上の特定の単語の頭文字を取って作った単語であり、本来の名称に親近感や覚えやすさ、時には本来から懸け離れた意味を持たせる言葉遊びの一面も持ちます。

では、このバクロニムを詳しく解説します。

バクロニムには主に3タイプあります。

  1. 頭文字のアルファベットをそのまま個々に発音したもの。
  2. 頭文字の音節を繋いで一つの言葉として発音するもの。
  3. バクロニウム自体が単語あるいは正式名称に含まれているもの。

  ※企業名や製品、コンピューター関係でよく使われるのがこのタイプ

「1」は「R.I.P.」も含み、他にはアメリカ航空宇宙局NASA(National Aeronautics and SpaceAdministration)・日本の公共放送局NHK(NIPPON HOSO KYOKAI )・

アメリカ連邦捜査局F.B.I.(FEDERAL BUREAU OF INVESTIGATION)などがあります。

「2」は「Benelux(ベネルクス)」ベルギー、オランダ、ルクセンブルク三ヶ国の関税同盟。Scuba(スキューバ)self contained underwater breathing apparatus / スキューバダイビングでおなじみの自給式呼吸装置もバクロニムです。     

「3」で代表的なのが「VISAカード」です。Visa International Service Association、頭にバクロニムであるVISAが入っています。

よく混同されがちなのが、Brexit(ブレグジット/英国のEU離脱)、こちらは British(英国)とExit(退去)の混成語であります。

バクロニムと混成語の違いは、頭文字同士を組み合わせているかどうかの違いです。ちなみにバクロニムはブレグジットと同じ混成語になります。

Backronym(バクロニム)はBackとAcronymを混ぜた言葉で、1983年11月のワシントンポストの造語コンテストの優勝者が発案し、定義も決められました。

このアクロニム(Acronym)は頭文字の意味ですが、ルーツはギリシャ語です。Acrは頂・てっぺんを意味し、-onymは単語を意味します。二つを合わせて”単語の最初”という意味になり、英語において頭文字の言葉になりました。また、ヒップホップではアクロムを用いた歌詞をよく作ります。いわゆる「あいうえお作文」です。

そしてBackは後でと言う意味です。既存の言葉に、後から頭文字で新しい言葉を作ることをバクロニムといいます。

バクロニムは本来の単語の意味と同じであることも、新しく作られた単語に新たな意味を持たせることもできます。それは時にユーモラスな意味になったりもします。

中でも歴史があり有名なのが、古代ローマ帝国の前身・共和制ローマの正式名称Senatus Populusque Romanus(セナトゥス・ポプリュスク・ロマヌス)のアクロニム/SPQRでつくったバクロニムです。

Sono pazzi questi Romani.(ローマ人はおかしい)

海外ではバクロニムで大喜利状態になることが多々あります。

マイクロソフトの検索エンジンBingに対し、Because It’s Not Google(googleじゃないからと言うだけで、)。

アメリカデルタ航空には、乗客とのトラブルを皮肉ったものです。

Delta:Don’t Ever Leave The Airport (空港から離れないで)

またはDon’t Expect Luggage To Arrive(到着する荷物を期待しないで)

車好きの人が作ったものの中に、

ホンダシビックSI:Slightly Impaired(ややスペックダウン)、

ホンダエンジンVTEC:Very Technical Emissions Control(ブイテックエンジンのエミッションコントロールは最高の技術だ)

といった日本車への愛情をあらわすものもあります。

「RIP」と「R.I.P.」の意味の違い

「Requiescat in pace」の意味であっても、インターネットのフォーラム内ではピリオド無しで書き込みをする人を多く見かけます。文字数やハッシュタグをつける場合にはピリオドがつけられないからです。

ピリオドなしが許されるのはあくまでもネット内に限られるので、カードでメッセージや手紙を書く場合は、ピリオドを入れましょう。

ピリオドがない同音異義語のRIPはリップと発音され、イギリス・アメリカ英語ともにスラングで「騙し取る/ぼったくり/ズタズタに引き裂く」という意味があります。

また最近、SNSではRIPのバクロニムを見かけます。

Return If Possible (よかったら返事ください)

Rest In Paradise(楽園で安らかに)

こちらはまだ使用例は少ないですがRest In Peace同様、亡くなった人に向けての哀悼と冥福を祈る言葉です。

この言葉が生まれたのはアメリカの元バスケットボール選手:コービー・ブライアントとその娘のジャナが飛行機事故で亡くなった時、SNS上で「Rest In Paradise」の言葉とともに哀悼のコメントが拡散されました。残されたコービーの妻と亡くなったコービー父娘が来世でまた一緒になれることを祈って作られた言葉です。R.I.P.との違いは、生きている人への慰めとしても用いられたことです。

この新時代のR.I.P.は少しではありますが広がりを見せ、いつか定着するとみられています。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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