他力本願の本当の意味とは?意味や例文をわかりやすく解説

他力本願の本当の意味とは?意味や例文をわかりやすく解説

よく「自力では無理だから他力本願に頼るしか無い」と、他人任せにする意味で「他力本願」という言葉が使われています。

多くのメディアやスピーチ、日常会話でも他人の力をあてにする意味で「他力本願」を使う人が多いのが現状です。

しかし「他力本願」とは本来仏教用語であり、宗教的意味を無くして他人任せにする意味で使うのは間違っています。

誤用されやすい「他力本願」の本当の意味を解説するとともに、例文や類義語・対義語を紹介します。

誤用が多い「他力本願」の本当の意味を解説

他力本願とは本来は仏教用語であり、非常に誤用される機会が多い言葉です。公の場で誤用すると宗教団体から抗議される可能性があるため、本来の意味をきちんと理解しておきましょう。

誤用が多い「他力本願」の本当の意味を解説します。

他力本願は「人任せ」の意味で使われるケースが多い

他力本願は「人任せ」や「他人依存」など、他人の力をあてにする意味で使われるケースが多いです。

国語辞書にも人任せの意味で載っています。しかし浄土真宗や浄土宗では、人任せの意味で「他力本願」を用いるのは誤用で誤解であると定義しています。

実際に浄土真宗や浄土宗から抗議をされた例もあるので、公の場で他人の力をあてにする意味で「他力本願」を使うのは避けるべきでしょう。

平成14年 (2002 年 )5 月 16 日付の全国紙に、オリンパス光学工業の全面広告が掲載されました。その中のキャッチコピーに『他力本願から抜け出そう』というフレーズがありました。浄土真宗各派が厳重に抗議し、その結果オリンパス社は広告を撤回し、謝罪しました。

昭和43年、倉石忠雄農林水産大臣が、記者会見で「日本国憲法は他力本願だ、やはり軍艦や大砲が必要だ」と発言し、国会審議停止、抗議を受けて最終的に辞任することになりました。

他力本願の本当の意味は「阿弥陀如来に頼って成仏すること」

「他力本願」は他人の力をあてにする人任せの意味で使われるケースが多いですが、本来は仏教用語です。

他力本願の本当の意味は「阿弥陀如来の本願に頼って成仏すること」。

阿弥陀如来とは浄土宗・浄土真宗が本尊としている仏のことで、他力本願は自らの修行によって悟りを開くのではなく、阿弥陀如来の本願力に頼って成仏することを意味しています。

そもそも「他」は阿弥陀如来のことを指しており、「力」は阿弥陀如来の本願力のことです。

そして「本願」とは、全ての人々を仏に成らしめようとする願いのことであり、欲望を満たすような願いではありません。

ちなみに成仏というと、この世に居続けている霊が天へ召されるイメージがありますが、実際は「仏に成る」ことを意味しています。

現在では「他力本願」を本来の仏教用語としての意味で使うケースが少なくなり、宗教的な意味が消えて他人の力に頼る意味で多用されるようになりました。

「他力本願」の例文と類義語・対義語の意味を解説

「他力本願」の例文と類義語・対義語の意味を解説

「他力本願」は本来、仏教用語です。誤用されるケースが多く、国語辞書には仏教用語の意味と、人任せの意味で掲載されています。

では他力本願はどのように使うのか、例文とともに類義語と対義語の意味を解説します。

他力本願には2通りの使い方がある

他力本願には本来の仏教用語として使い方と、宗教的意味をなくした使い方の2通りあります。

本来の意味で使う場合は問題ありませんが、「人任せ」の意味では公の場で使わないようにしましょう。

仏教用語としての他力本願の例文

仏教用語としての使用する場合の「他力本願」の例文を紹介します。

  • 極楽浄土へ導かれたいのであれば、他力本願で阿弥陀如来を信じなさい。
  • 悪行に自覚があるなら、他力本願すれば仏になれるでしょう。
  • 自分の死を悟ったなら、日頃から他力本願で仏になれるよう一心に願いなさい。

宗教的意味ではない他力本願の例文

人任せの意味で使う場合の「他力本願」の例文を紹介します。

なお、本来の意味ではなく誤用なので、使用する際は日常生活の中でのみに留め、公の場では使わないように注意してください。

  • あの人はいつも他力本願でやる気が感じられないし、信用もできない。
  • 私はずっと他力本願だったから、自分の力で何を始めたくてもどうしたらいいかわからない。
  • 他力本願な思考は向上心を阻害し、キャリアアップやスキルアップが難しくなるだろう。

本来は他力本願に類義語や対義語はない

「他力本願」は誤用されるケースが多いですが、本来は仏教用語であり類義語や対義語にあたる言葉はありません。

ただし、本来の意味ではなく人任せの意味で使う場合は、類義語や対義語となる言葉がいくつかあります。

もしも「他力本願」を「人任せ」の意味で使うのであれば、類義語にあたる言葉に言い換えるとよいでしょう。

他力本願の類義語は「責任放棄」や「おんぶに抱っこ」

他力本願を言い換えるのであれば、やはり他人の力に頼る意味を持つ言葉がよいでしょう。他力本願の誤用を避けるために、類義語の中から場面に合わせて使い分けましょう。

  • 責任放棄:自分の責任や任務を避けて他人に任せること
  • おんぶに抱っこ:何もかもを他人に頼り切ること

ほかにも他力本願は、誤用の意味である「他人任せ」や「人任せ」に言い換えることができます。

他力本願の対義語は「自主自立」や「独立独歩」

人任せを意味する場合、他力本願の対義語に当たるのは「他人に依存せずに自分に力で歩むこと」を意味する言葉です。

  • 自主自立:自分の意思で行動し、他人の力に頼らず独り立ちすること
  • 独立独歩:他人の力を借りずに自分の道を自分の力で歩むこと
  • 自力救済:何らかの権利を侵害された者が、弁護士や司法書士頼らず自力で権利回復をはたすこと

他力本願は仏教用語だが、本当の意味とは違う使い方が多い言葉

他力本願は「他人の力に頼る」「人任せにする」「他人をあてにする」のように、自分の力を使わずに周りばかりを頼りにする無責任な意味で使われがちです。

しかし、本当は「阿弥陀如来の本願力に頼って成仏すること」を意味する仏教用語であり、ネガティブな意味ではありません。また、類義語・対義語にあたる言葉も本来はありません。

他力本願を誤用し、浄土真宗や浄土宗に強く抗議されたケースもあるので、本来の意味ではない使い方は避けるように意識しましょう。

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