お百度参りで願いをかなえる|由来や方法、歴史を解説

投稿:2021-03-23
お百度参りで願いをかなえる|由来や方法、歴史を解説

どうしてもかなえたい願いがあるとき、日本では昔からお百度参りをする風習があります。現在でも続く風習であり、中にはお百度参りで有名な神社もあるほどです。

特に「大切な人の病気や怪我を治して欲しい」「寝たきりになった人の元気に歩く姿を再び見たい」など、誰かのためを思った願いはかないやすいと言われています。

参拝をくり返すことで神様に願いが届き、かなうようになると言われていますが、お百度参りの風習はいつから続いているのでしょうか。

お百度参りの具体的な方法を注意点とともに解説し、由来や歴史もご紹介します。

願いをかなえるお百度参りの歴史と由来とは

古くから願いをかなえる儀式として行われていたお百度参りですが、いつから風習が続いているのでしょうか。

お百度参りが寝顔をかなえると言われている理由とともに、歴史と由来を解説します。

お百度参りとは神社で100回お参りをすること

お百度参りとは、神様に願いを届けるために神社で100回お参りをする風習のことです。民間信仰の一種であり、何度もお参りをすることで願いがかなうようになると言われています。

お百度参りは願いがかなうと言われている理由は、何度もくり返し参拝することで、神様に自分の信仰心を示すことができるからです。

信仰心が強くなれば、神様に願いを聞き入れてもらいやすくなると信じられています。

また、回数を重ねることで雑念が無くなり、願いが洗練されて真摯に祈れるようになります。

洗練されればお参りの質も高まるため、祈願成就に繋がりやすくなるとも言われているようです。

お百度参りは鎌倉時代初期から行われていた歴史ある風習

お百度参りは古くから日本各地で定着している風習です。

歴史書「吾妻鏡」では、1189年(鎌倉時代初期)からお百度参りが行われていた記録を確認できます。

もともとお百度参りは、氏神神社に100日連続で参拝する「百日詣」と呼ばれていました。

しかし、100日間毎日参拝を続けるのは難しいうえに、中には100日も待てない願いもあるため、次第に100日間通い続けるか100回参拝するかどちらかを選べるよう変化します。

ちなみに氏神とは、同じ地域の住民が共同で祀る神道の神様のことです。氏神神社は氏神様が祀られている神社であり、全国各地に存在しています。

願いをかなえるためのお百度参りの方法を解説

お百度参りは100回お参りをすることですが、通常の参拝とは違うルールが存在します。

願いをかなえるためのお百度参りの方法について、用意するものや参拝先の選び方とともに解説します。

お百度参りでは別途でお百度こよりもしくはお賽銭100枚が必要

まずお百度参りを行う前に、参拝の際に納めるお賽銭とは別途で「お百度こより」もしくは「お賽銭」を100枚用意しましょう。

別途で用意したお百度こよりもしくはお賽銭は、参拝した回数を数えるために使います。1回参拝するごとに、神社入り口の目立たない場所に置いていきましょう。

神社によってはお百度こよりを配布していたり、鳥居付近にお百度石が置いてある場合もあるので探してみてください。

なお、目立たないものなら何でもいいので、小石や竹串などで代用しても問題ありません。

最終的に100個置く必要があるので、神社の邪魔にならず、風にも飛ばされないような小さくてある程度重みがあるものを用意してください。

参拝先は有名な神社や近隣の氏神神社がおすすめ

お百度参りを行う場所は、お百度参りで有名な神社か近隣の氏神神社がおすすめです。

お百度参りで有名な神社は、その分お百度参りを行う人が多いので、行いやすいメリットがあります。一方、近隣の氏神神社は通いやすいことがメリットです。

なお、神社ではなく寺院でも問題ありません。

ちなみに神社は日本の神様が祀られている神道の宗教施設で、寺院は仏教の宗教施設です。祀られている神様も宗教も違うので、自分の願いに合った場所でお百度参りを行うとよいでしょう。

お百度参りの入場から退場までの手順

お百度参りは、神社もしくは寺院に入場してから退場するまでがワンセットになります。

流れはシンプルで難しい部分はありませんが、100回くり返さなければならないので、根気強く参拝を続けましょう。

まずは入り口から本殿まで歩く

まずは神社・寺院の入り口から歩いて本殿まで行きましょう。

途中で手水舎が設置されている場合は、参拝前に手や口を清めてください。

本殿で願いを込めて参拝する

本殿に到着したら、お賽銭を入れて願いを込めて参拝しましょう。

神社の場合はお賽銭を入れてから二礼二拍手し、合掌しながら願いを唱えて一礼をします。

寺院の場合はお賽銭を入れてから一礼してから合掌、一礼がマナーです。寺院では参拝の際に拍手はしません。焼香台がある場合は参拝後に焼香を行いましょう。

なお、願いを唱えるときは神様にどこの誰かわかるように、まずは自分の名前と住所を伝えてから、挨拶や感謝の気持ちを伝え、最後に心を込めて願いごとをひとつ唱えてください。

本殿から歩いて戻る

参拝が終わったら、本殿から歩いて入口まで戻りましょう。

お百度こよりなどで回数を数える場合は、鳥居の横などの目立たない場所に置いてください。

入場から退場までを1日100回もしくは100日連続で行う

入場から参拝、退場までをワンセットとし、1日に100回もしくは100日連続で行いましょう。

1日に100回行う場合、100回参拝後はそのまま帰宅して問題ありません。

願いがかなったらお礼参りをすること

お百度参りで100回参拝し、願いがかなったらお世話になった神社や寺院にお礼参りをしましょう。

願いがかなったらできるだけ早めに、感謝の気持ちを神様に伝えると良いです。

お礼参りの際も通常の参拝と同じ流れで参拝してください。

なお、願いがかなわなかった場合も、結果報告としてお礼参りを行うことをおすすめします。お礼参りは徳を積むことに繋がるので、どのような結果になっても行った方が良いでしょう。

お百度参りの注意点とマナーを解説

お百度参りの注意点とマナーを解説

お百度参りを行う際に注意するべき点があります。普通に参拝する分には気にしなくてもいい部分もありますが、お百度参りはいかに真摯に願って神様に届けるかが重要なので、注意点を守って参拝しましょう。

では、お百度参りの注意点とマナーを解説します。

参拝中は声を出さずに祈り続けること

お百度参りで大切なことは、余計なことを考えずに一心になって祈りを捧げることです。

そのため、お百度参りの最中は声を出してはいけません。参拝に集中するために、携帯電話など音の出るものの電源も切っておくとよいでしょう。

100日連続で参拝する場合は途切れないように注意

100日連続で参拝する方法を選んだ場合は、毎日参拝して途切れないようにしてください。

途中で1日でも途切れてしまった場合、再度1日目からやり直しとなります。

毎日欠かさず続けることが大切なので、通いやすい場所にある神社や寺院を選ぶとよいでしょう。

100回の参拝が難しい場合は可能な範囲でくり返す

お百度参りは100回参拝するのが本来の形式ですが、実際は必ずしも100回参拝しなければならないわけではありません。

諸事情で100回の参拝が難しい場合は、可能な範囲でくり返し参拝するとよいでしょう。

神社によっては自分で決めた回数で問題ないとしているところもあるので、100回の参拝が厳しい人は回数にこだわりのない神社でお百度参りをしても構いません。

ネガティブな願いや欲望を満たす願いは適当ではない

お百度参りで何を願うかは人それぞれ自由です。

しかし、誰かの不幸を祈るネガティブな願いや、宝くじに当たってお金持ちになりたいなどの自分の欲望を満たす願いはお百度参りには適していません。

また、「痩せたい」「試験に合格したい」など、自分の努力次第でかなえられる願いも適当とは言えません。

もちろん、誰かの不幸を願ったり、自分の欲を満たすお願いをかなえるためにお百度参りを行う人がいないわけではありませんが、お百度参りで祈る願いにふさわしいとは言えないでしょう。

お百度参りに適している願いは、自分の願いではなく誰かの幸せを祈る願いです。

「病気が治ってほしい」「無事に赤ちゃんを産んでほしい」「受験に合格してほしい」など、大切な誰かのためになるお願いを祈りましょう。

お百度参りは明るいうちに行うのがおすすめ

お百度参りを行う時間に決まりはないので、自分の好きなタイミングで行って問題ありません。

ただし、お百度参りは基本的に明るいうちに行うようにしましょう。

神社によっては夜間は出入りを禁止しているケースもあるので、お百度参りができない可能性もあります。

もし日が暮れてから行きたい場合は、予め夜間でも開放している神社を探しておきましょう。夜間に開放していても、明かりが点いていない神社もあるので注意してください。

なお、夕方の読経で神様は天界へ戻りお休みをしているので、夜間は神様がいないと考えている神社もあります。

神様がいなければ願いも届きませんので、やはりお百度参りは明るいうちに行うのがおすすめです。

特におすすめなのは朝の時間帯。神社に人が少ない時間帯なので雑念も少なく、心を落ち着かせてお百度参りに集中できます。

お百度参りは人に見られないように行うとよいとも言われていますが、基本的に人が神社にいる時間帯でも問題ないので、人がいない時間を狙ってわざわざ夜間にお百度参りを行うのはおすすめできません。

服装に決まりはないがなるべく清潔感のある格好をすること

お百度参りは裸足で行った方がよいとも言われていますが、現在ではお百度参りの服装に関して特別な決まりはありません。普段どおりの服装で参拝しましょう。

ただし、神社も寺院も神様が居る神聖な場所なので、だらしない服装はあまり好ましくありません。

最低限の身なりは整えて、清潔感のある服装で参拝しましょう。

お百度参りは神様に願いが届くように一心にお参りすることが大切

お百度参りで大切なことは、神様に願いが届くように一心になってお参りすることです。

強い意志を持った人は自分の目標を次々と達成していく傾向がありますが、お百度参りも同じで、強い思いを抱くことで熱心な様子に神様も胸を打たれ、願いをかなえてくださるかもしれません。

必ずしも願いがかなう保証はありませんが、神頼みしなければならないほど強い願いがあるのであれば、お百度参りで祈りを捧げ、神様に願いを届けてみてはいかがでしょうか。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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