墳墓とは?言葉の意味や代表的な墳墓、種類について解説

投稿:2020-10-27
墳墓とは?言葉の意味や代表的な墳墓、種類について解説

墳墓とは、死者を埋葬するためのお墓やその場所を示す言葉です。

現代の墓地に建てられた墓石はもちろん、土を高く持った古代の墓、「古墳」も墳墓のひとつ。

墳墓の元々の意味や代表的なもの、種類について詳しく解説します。

墳墓の意味や種類を解説

土や石を使って作られたピラミッドや古墳は墳墓の種類の一つです。墳墓という言葉には元々どんな意味があるのか解説します。

墳墓とは死者を埋葬するお墓とその場所のこと

墳墓とは遺体や骨を埋葬する個々のお墓、またはその場所のことを指します。土葬か火葬かは問いません。

元々は土を高く盛り上げて作るお墓という意味があり、古代に造られた古墳はまさにその形状です。

古墳には円墳、方墳、前方後円墳、八角墳など数種類の形があり、内側の石室には絵画や彫刻が刻まれ、埋葬品がありました。

古墳の大きさは当時の権力者の権力の大きさに比例しており、特に前方後円墳にその傾向が色濃く残っています。

中でも規模が大きい3つの古墳を紹介します。

第1位:大仙陵古墳(仁徳天皇陵)

大阪府堺市にある486メートルの、日本一大きい前方後円墳です。

堺市には大仙陵古墳を含め、百舌鳥古墳群と呼ばれる巨大古墳群が広がっていて、現代の街並みにも昔の面影を見ることができます。

第2位:誉田御廟山古墳(応神天皇陵)

大阪府羽曳野市にある、425メートルの前方後円墳です。

羽曳野市・藤井寺市にかけて広がっている古市古墳群の中で、ひときわ大きい古墳です。

第3位:上石津ミサンザイ古墳(履中天皇陵)

大阪府堺市にある365メートルの前方後円墳です。

第1位の大仙陵古墳と同じ、百舌鳥古墳群に属しています。

上位3つの古墳はどれも大阪南部で見ることができます。

現代の墳墓の種類は主に3つ

その他の大きめの古墳も西日本に集中していることから、当時の権力者が西日本に分布し生活していた様子がうかがえるでしょう。

現代の墳墓の種類は大きく分けて3つに分類されます。

和式タイプ

江戸時代から広く用いられている縦長の墓石で、墓地で一番よく目にするタイプです。

「地」を表す中台、「人」を表す上台、「天」を表す竿石の3つの石が重ねられていて、別名和式三段墓とも呼ばれます。

洋式タイプ

横幅が広めの形状なので、高さはあまりなく安定性があり、手入れがしやすいです。欧米のモダンなデザインの墓石が多いのが特徴と言えるでしょう。

価格も安いことから、近年人気が高まっています。

デザインタイプ

枠にとらわれない、自由なデザインの墓石です。故人や遺族の思いやアイディアを活かし、世界に一つだけの墓石を作れます。

材質や形は多岐にわたり、ガラスでできた墳墓もあります。

墳墓を建てる場合、墓石の種類だけでなく、石質や彫刻内容も検討しなければなりません。

石の硬度や吸水性は耐久性に大きく関係するほか、産地や色の種類はバリエーションがあります。

特に耐久性は、維持において重要です。

寒冷地や雨風の多い地域では、どうしても劣化が早くなるので、土地の特徴を加味して石を選びましょう。迷った場合は、遠慮せずプロである石材店にアドバイスをもらうと良いでしょう。

彫刻内容は俗名や戒名、享年、お墓の建立者、建立年月日、家紋が一般的です。

しかし洋型やデザインタイプであれば、好きな言葉や図柄をいれることも可能なので、まずは石材店に相談してください。

納骨堂と墳墓の違いはそれぞれの目的にある

遺骨を納めるための納骨堂は、墳墓とは言いません。墳墓は遺体または火葬後の遺骨を埋葬するための施設で、お墓を指しているからです。

納骨堂とは、元々遺骨を安置する一時的な場所でした。

現在では跡継ぎがいなくなった場合、永代的に供養をしてもらえる施設として機能しています。

核家族化が進んで墓を守る人がいない、葬送費用や供養する人の負担を軽減したいなどが主な理由です。

寺院だけでなく自治体が運営する公営、宗教法人などが運営する民営の納骨堂もあります。

納骨堂の種類は大きく分けて、ロッカー型、堂内に墓石が置ける墓石式、仏壇の下段に遺骨を納める仏壇式の3つです。

価格設定がリーズナブルで、宗教や宗派を問わず、アクセスがよい場所に多いなどメリットが多いことも利用を後押ししているでしょう。

墳墓を作る場合は、どうしてもお墓の建立に費用と手間がかかります。墓石代、工事代、管理費や永代使用料などの費用は少なくありません。

また建てて終わりではなく供養や管理も必要なので、核家族化が進む現代ではいろいろ問題があるケースが多いのです。

日本の代表的な墳墓は墓石を使う

日本の代表的な墳墓は墓石を使う

日本の代表的な墳墓は、墓石を建てるスタイルです。最近では墓石以外にも、仮のお墓である木製の墓標や、樹木葬などの自然葬が行われることもあり、埋葬も多様化しています。

ただそれでも、圧倒的支持を受けているの墓石タイプです。墓石は区画の墓地に建てますが、寺院の境内墓地や自治体などが運営する公営墓地、民営墓地などさまざまなな種類があります。

寺院の場合それぞれに信仰している宗派があり、境内墓地に入るためには檀家になり、その宗派に入らなければいけません。

公営墓地は比較的安価に使用することができ、民営墓地は永続性はありませんが、申し込みの資格基準が低く利用しやすいでしょう。もし承継者がいなくなった場合、お墓は無縁墳墓と呼ばれ、いくつかの条件を満たしてしまうとお墓の管理者によって撤去されてしまうこともあります。

永代使用料は墓地使用の権利、永代供養料は供養の費用

墳墓を作る場合、使用する墓石の代金や工事費に加えて、永代使用料と管理費が必要です。

永代使用料とは、墓地の使用代として寺社や霊園に支払う費用のことで、お墓を作る際に支払います。

永代使用料を払うことで、お墓を守る人が存在する限り、永代に渡って使用し続けられる権利が得られます。言葉通り継承者がいなくなれば、その墳墓は無縁墳墓となって所有の権利は失ってしまいますので、購入する時には継承者がいるかどうかが注意するポイントです。

料金の相場は都市部ほど上がり、区画の広さも関係します。もし墓地を返却したい場合はも、永代使用料は返金されません。区画を借りているという意味合いになるので、転売もできません。

永代使用料とよく似た言葉に永代供養料がありますが、意味は大きく違います。

永代供養料とは、寺社や霊園が遺骨を預かり、子孫に変わって供養と管理を行うための費用のことです。

言葉は似ていますが、内容は正反対のことを指していますので、間違えないように注意して下さいね。

まとめ:墳墓はお墓やその場所をさす言葉

近年では埋葬のスタイルも多様化し、象徴である墳墓の種類やデザインもより自由な風潮となっています。

しかしお墓の意味や故人を敬い冥福を祈る気持ちは、古代から変わることなく、今日まで脈々と受け継がれています。墳墓は人が人を想う心が、形になったものなのです。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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