自宅葬とは?費用や流れ、メリット・デメリットをわかりやすく解説

投稿:2024-07-31
自宅葬とは?費用や流れ、メリット・デメリットをわかりやすく解説

自宅葬とは、故人を自宅で見送り、葬儀を行う方法です。最近では、家族や親しい人だけでプライベートな空間で葬儀を行いたいというニーズが高まっており、自宅葬を選ぶ人が増えています。本記事では、自宅葬の定義や一般的な葬儀との違い、メリット・デメリット、費用や流れについて詳しく解説します。

自宅葬とは?

自宅葬とは、故人の自宅で通夜や告別式を行う葬儀のことです。

自宅葬は、以前は一般的でしたが、現在はセレモニーホールなどで行われる一般葬が主流となっています。自宅葬が減少した背景には、核家族の増加や住宅事情の変化などが挙げられます。

その一方で、近年はコロナ禍の影響もあり、自宅葬が再び注目を集めています。その背景には次のようなものがあります。

  • コロナ禍の影響で葬儀が小規模化
  • 在宅医療の推進
  • 葬儀ホールなどの使用料が要らず費用を抑えられる

自宅葬は、故人とゆっくりお別れできる、自由な形式で葬儀を行えるなど、様々なメリットがあります。自宅葬を検討する際には、メリットとデメリットをよく理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

自宅葬のメリット

自宅葬のメリット

近年、注目を集めている「自宅葬」。一般的な葬儀と異なり自宅で行うお葬式ですが、その魅力はたくさんあります。ここでは、自宅葬を選ぶ5つのメリットをご紹介します。

費用を抑えられる

自宅葬は、斎場などの施設利用料がかからないため、一般的な葬儀よりも費用を抑えることができます。また、参列者への飲食やお礼の品なども簡素化することで、さらに節約できます。

故人との時間をゆっくりとれる

自宅という慣れ親しんだ空間で、故人とゆっくりと過ごすことができます。慌ただしい葬儀ではなく、心のこもったお別れをすることができます。

自由な形式で葬儀を行える

斎場での葬儀には決まった形式がありますが、自宅葬は完全に自由です。故人の好きな音楽をかけたり、思い出の品を飾ったり、参列者一人ひとりが故人との思い出を語り合ったりするなど、オリジナリティ溢れる葬儀を行うことができます。

家族や親しい人だけで送ることができる

自宅葬は、参列者を限定することができます。そのため、故人と親しかった家族や友人だけで、静かにゆっくりとお別れをすることができます。

故人の希望に沿った葬儀ができる

自宅葬は、斎場で行う葬儀とは異なり、決まった形式やルールがありません。そのため、故人の希望を最大限に尊重し、想いを込めたお別れをすることができます。例えば、故人が生前「派手な葬儀は嫌だ」と話していた場合、自宅葬であれば家族だけで静かに送ることができます。

自宅葬のデメリット

自宅葬は、メリットだけでなくデメリットも存在します。自宅葬を検討する前に、以下の4つのデメリットについて理解しておくことが大切です。

準備や手続きが大変

自宅葬は、斎場で行う葬儀よりも準備や手続きが大変です。葬儀社に依頼する場合は、葬儀社が準備や手続きの大半を代行してくれますが、自身で自宅葬を執り行う場合は、主に以下のことを自分で行う必要があります。

  • ご遺体の安置場所の準備
  • 祭壇や棺などの葬儀用品の手配
  • 僧侶や葬儀司会者の手配
  • 参列者への連絡と案内
  • 食事や飲み物の準備
  • 遺体搬送の手配
  • 火葬の手配
  • 各種書類の準備

これらの準備や手続きは、時間と労力が必要です。特に、初めて自宅葬を行う場合は、何をどのように準備すれば良いのかわからないことも多く、負担が大きくなります。

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周囲への配慮が必要

自宅葬は、近隣住民への配慮が必要です。主に以下の点に注意する必要があります。

  • 騒音や臭いが発生しないようにする
  • 駐車スペースを確保する
  • 弔問客の通行を妨げないようにする
  • ご遺体の搬送や火葬の際に近隣住民に迷惑をかけないようにする

集合住宅の場合は、マンションの規約で禁止されていたり、エレベーターに棺桶を乗せるスペースがない場合など、自宅によっては自宅葬を行うことが難しいケースもあります。

なお、周囲に人が少ない場合、一見配慮が不要に思えるかもしれませんが、以下のようなリスクがあります。

  • 近所の助けやコミュニケーションが難しく、急なトラブルや対応が必要な際に困ることがある
  • 準備や当日のサポートを受けにくいことがある

専門知識や技術が必要

自宅葬を行うためには、一定の専門知識や技術が必要となります。例えば、ご遺体の安置方法、祭壇の設営方法、葬儀の流れなどについて理解しておく必要があります。また、場合によっては、死後硬直や体液漏れなどの対応も必要となります。

これらの知識や技術がない場合は、その分費用は発生しますが、葬儀社に依頼することをおすすめします。

スペースが限られる場合がある

自宅葬は、自宅の広さによっては十分なスペースを確保できない場合があります。特に、都市部では住宅密集地が多く、自宅の広さが限られているケースが多いです。
スペースが限られている場合は、祭壇を小さくしたり、参列者の人数を制限したりするなどの工夫が必要となります。

自宅葬は、メリットとデメリットをよく理解した上で検討することが大切です。デメリットを補うためには、葬儀社に依頼する、家族や友人に協力してもらうなどの方法があります。

自宅葬の費用相場

自宅葬の費用相場

自宅葬の費用相場は、一般的な葬儀に比べて低めです。具体的な費用は葬儀の規模や内容によりますが、平均して40万~60万円程度と言われています。

自宅葬で費用を抑えるポイント

自宅葬は、斎場で行う葬儀よりも費用を抑えられると言われています。しかし、それでも数多くの選択肢があり、費用は様々です。自宅葬で費用を抑えるためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

規模を縮小する

自宅葬の費用は、参列者の人数や規模によって大きく変わります。参列者を家族や親しい友人に限定することで、飲食やお礼の品などの費用を節約することができます。また、通夜や告別式などの儀式を省略したり、簡素に行ったりすることも費用を抑えるポイントです。

簡素な祭壇・装飾にする

祭壇や棺、装飾品などは、自宅葬費用の中でも大きな割合を占める項目です。高価な祭壇や棺、装飾品ではなく、シンプルなものを選ぶことで費用を抑えることができます。また、祭壇の代わりに花台を飾ったり、装飾品を手作りしたりするのも良いでしょう。

複数の葬儀社から見積もりを取る

葬儀社によって費用は大きく異なるため、必ず複数の葬儀社から見積もりを取りましょう。見積もりを取る際には、必要なサービス内容を明確に伝え、比較しやすいように項目ごとに金額を記載してもらうようにしましょう。

自宅葬の流れ

自宅葬は、斎場で行われる一般葬とほとんど同じ流れで進行しますが、自宅という空間で行うため、より自由度が高く、故人との時間をゆっくりと過ごせるという点が特徴です。

ここでは、自宅葬の流れを詳しく説明します。

1. ご臨終

まず、医師による死亡確認が行われ、死亡診断書が発行されます。その後、葬儀社を選定し連絡を行います。24時間365日対応している葬儀社が多いので、基本的にいつでも連絡可能です。

なお、死亡診断書の原本は役所に対して提出する必要がありますが、葬儀や火葬などの手続きにも欠かせません。必要な際にすぐ用意できるように、5~10枚コピーをとっておくことをおすすめします。

2. ご遺体の搬送

一般的に、ご遺体の搬送は葬儀社や専門の業者に依頼することがほとんどです。多くの葬儀社は、連絡を受けてから30分から1時間前後で指定場所に到着し、寝台車や霊柩車で故人を安置場所(自宅葬の場合はご自宅)まで搬送します。

3. 安置の準備

ご自宅の仏間や広い部屋などに、故人を安置するスペースを設け、布団や枕、枕飾りなどを用意します。遺体を自宅に安置する際は、冷却や室温の保存に注意して腐敗を防ぐ準備も必要です。

4. 葬儀の準備

祭壇や棺、僧侶、飲食の手配、通夜・葬儀の日程決め、必要な物品の準備を行います。葬儀社を通して執り行う場合は、さまざまな準備や対応を葬儀社にお任せできます。

5. 葬儀・告別式

通夜、葬儀・告別式を行います。各儀式の流れに従って進行し、家族や親しい人と、故人との最後のお別れをゆっくりと過ごす時間となります。

6. 火葬

ご遺体を火葬場へ搬送し、火葬を行います。火葬には約1時間半から2時間程度かかります。

7. 精進落とし

火葬後、自宅に戻り、参列者へ食事や飲み物などを提供します。故人との思い出を語り合う大切な時間となります。なお、葬儀社を介さずご自身で自宅葬を執り行った場合は、この後の片付けも自分たちで行う必要があります。

自宅葬を行う際の注意点

自宅葬を行う際の注意点

自宅葬は通常の葬儀とは異なる点が多く、事前に注意しておくべきポイントがあります。ここでは、自宅葬を成功させるために特に重要な5つの注意点をご紹介します。

導線を確認しておく

自宅葬をスムーズに執り行うためには、ご遺体の搬送や参列者の出入りなどの導線を確認しておく必要があります。棺や祭壇の大きさ、設置場所、参列者の人数などを事前に把握し、棺が通る場所や参列者の動きをシミュレーションしながら、ご自宅の環境を整えましょう。

法律や条例を確認する

自宅葬を行う場合、火葬法や地方自治体の条例など、法律や条例で定められた制限がある場合があります。例えば、自宅でのご遺体の安置期間や、ご遺体の搬送方法などに規制がある場合があります。事前にしっかりと確認し、法令を遵守した上で自宅葬を行うようにしましょう。

近隣への配慮を怠らない

自宅葬は、近隣への配慮が特に重要です。葬儀当日は、参列者や関係者が出入りしたり、話し声が大きくなったりする可能性があります。そのため、事前に近隣へ挨拶を行い、自宅葬を行う旨を伝えておくことが大切です。また、自宅周辺での路上駐車が発生しないよう、駐車スペースを確保するなどの対策も必要となります。

必要な準備を事前にリストアップする

自宅葬では、葬儀社に依頼する一般的な葬儀よりも多くのことを自分で準備する必要があります。そのため、必要な準備を事前にリストアップしておくことが重要です。例えば、ご遺体の搬送や安置、祭壇や棺の手配、僧侶の手配、飲食の手配、参列者への案内など、様々な準備があります。リストアップしておくことで、漏れなく準備を進めることができます。

信頼できる業者を選ぶ

自宅葬では、葬儀社に依頼する以外にも、葬儀の内容次第では様々な業者を利用する機会があります。例えば、ご遺体の搬送業者、祭壇業者、料理業者、音響業者などです。それぞれの業者について事前にしっかりと比較検討し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

これらの注意点に加え、自宅葬を行う際には、家族や親族としっかりと話し合い、全員が納得した上で進めることが大切です。自宅葬は、故人との最後の時間をゆっくりと過ごせるというメリットがありますが、同時に様々な準備や配慮が必要となることを理解しておきましょう。

自宅葬に関するよくある質問

自宅葬に関するよくある質問

自宅葬は、近年注目を集めている葬儀方法ですが、従来の葬儀とは異なる点も多く、疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。ここでは、自宅葬に関するよくある質問をまとめました。
自宅葬を検討している方、自宅葬についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

自宅葬は自分でできますか?

はい、自宅葬はご自身で全て準備することも可能です。ただし、多くの時間と労力が必要となります。ご遺体の搬送や安置、祭壇や棺の手配、僧侶の手配、飲食の手配、参列者への案内など、様々な準備を自分で行う必要があります。また、法律や条例に関する知識も必要となります。

自宅葬を自分で行う場合は、葬儀に関する知識や経験があることが望ましいです。また、親族や友人など、周囲に協力してくれる人がいることも重要です。時間と労力、そして周囲の協力が得られる場合は、自宅葬を自分で行うことも選択肢の一つと言えるでしょう。

葬儀社を通さずに火葬はできますか?

はい、法律上、葬儀社を通さずに火葬を行うことは可能です(これを「直葬(火葬式)」と呼びます)。ただし、火葬場の手配や各種手続きが複雑であることと、火葬だけでなく遺体の安置や搬送も考慮する必要があります。そのため、葬儀社に依頼する方がスムーズに進行します。

葬儀社は、火葬に必要な手続きの代行、ご遺体の搬送、火葬場の予約などを行ってくれます。葬儀社を通さずに直葬(火葬式)を行う場合、火葬に関する手続きを自分で行う必要があります。手続きには時間と手間がかかるため、葬儀社に依頼することをおすすめします。

まとめ

自宅葬は、従来の葬儀とは異なる魅力と注意点があります。自宅葬を検討する際には、メリットとデメリットをよく理解した上で、ご自身の状況や希望に合った方法を選択することが大切です。

自宅葬を行う場合は、葬儀社に依頼することをおすすめします。葬儀社は、豊富な知識と経験に基づいて、必要な準備や手続きをサポートしてくれるため、安心して自宅葬を行うことができます。

また、自宅葬に関する疑問や不安は、葬儀社に相談することをおすすめします。葬儀社は、自宅葬に関する様々な質問に丁寧に答えてくれるので、安心して相談することができます。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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