
結婚式や葬儀で会社を休む時に取得できる休みの事を慶弔休暇といいますが、友人の結婚式や葬儀に出席する場合も使えるのでしょうか?
答えは、残念ながらNOです。この場合は、休暇理由が必要のない年次有給休暇を使いましょう。
知っているようで知らない、慶弔休暇について詳しく解説します。
もくじ
慶弔休暇の意味や取得日数について解説
慶事・弔事合わせた休暇のことを慶弔休暇といいます。自分と家族、近しい親族のみの慶弔の際に利用できますが、親等まで細かく決められている会社もあります。
取得できる平均日数は慶弔あわせて1~10日です。新婚旅行など、年次有給休暇を併用して長期休暇に入る人もいます。
慶弔休暇の意味や取得できる日数について解説します。
慶弔休暇は慶事や弔事があった場合の特別休暇
慶弔休暇は、会社で定められた特別休暇のことです。
特別休暇には慶弔休暇の他に病気休暇・リフレッシュ休暇・育児休暇・短期介護・裁判員制度などさまざまあります。
パートやアルバイトの場合でも、勤め先との契約の際に福利厚生として慶弔休暇が含まれていればこの特別休暇を利用することは可能です。ただし、会社によっては、休暇ではなくシフト調整で対応することもあります。
パートやアルバイトも、半年以上の継続勤務・所定労働日の8割以上出勤している場合は年次有給休暇が発生します。有給休暇で対応する会社も多いです。
ちなみに、週5日勤務の場合、半年後に10日、一年後には11日の年次有給休暇がもらえます。年次有給休暇は発生してから2年以内に使わないと消失しますが、特別休暇にも同様に有効期間を設けている会社もありますので、取得日数ともに会社の規定を必ず一度は調べておきましょう。
いつの時代でも慶弔休暇を含めた特別休暇を削減したり、廃止する会社は見当たりません。日本国内の企業において重要な制度と位置付けられていることがわかります。
慶弔休暇は法律で定められたものではない
「慶弔休暇」は労働基準法で定められた法定休暇ではなく、会社の就業規定内でおこなわれる法定外休暇です。従って、内容は会社によって異なります。
ほとんどが年次有給休暇とは別の有給扱いとなりますが、中には無給扱いになる会社もあります。その場合は有給休暇を慶弔休暇に充てることになるので、事実上、特別休暇は存在しないことになります。
全ての会社が手厚くおこなっているとは言えません。まずは自分が在籍する会社の就業規定内に、特別休暇がどのような扱いになっているのか知る必要があります。
厚生労働省によると特別休暇を設けている会社は約60%で、過去と比較すると増加傾向にあるようです。
一方、特別休暇がない会社は39.7%。全体的にゆるやかではあるものの特別休暇を設ける会社は増えています。
慶弔休暇が無給扱いであっても申請なしで休むと欠勤扱いとなり、賞与や社内評価等に響き兼ねません。会社によっては見舞金やご祝儀が出る場合がありますので、必ず申請書は提出しましょう。
お葬式や結婚式など、一般的な慶弔休暇期間を解説

慶弔休暇期間は平均して同じですが、民間と公務員とでは多少異なります。
どちらとも、弔辞に関しては本人との関係性によって日数が増える場合もあります。
慶事〜結婚や出産のタイミングで取れる休暇
- 民間企業 :本人の結婚 5日 / 子どもの結婚 2日 / 妻の出産 2日
- 公務員 :本人の結婚 5日 / 妻の出産 2日
弔事〜身内が亡くなった際に取れる休暇
- 民間企業 :配偶者 10日 / 父母・子ども 7日 / 兄弟・親族 3日
- 公務員 : 配偶者・父母 7日 / 子ども 5日 / 祖父母・兄弟 3日 / 親族 1日
※あくまで目安になります
人事院 規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)別表第二(第二十二条関係)平成31年改正版
弔事休暇(忌引き休暇)で気をつけるべきポイント
忌引休暇は基本的に電話で伝えるのが礼儀です。
慶弔休暇届けは本来事前に届け出るものですが、忌引休暇の場合は喪主やその家族が慌ただしく葬儀の準備におわれることから、ほとんどが葬儀後に出社した際の提出でも対応しています。
葬儀は結婚式とは違って事前に日程を知ることはできません。突然不幸に見舞われたとしても、すぐに会社に忌引休暇届けの連絡を入れるのが社会人としてのマナーです。その場合メールで済ませるのではなく、直接電話で伝えましょう。
ただし、遅い時間の場合はまずはメールで伝え、翌朝あらためて電話で報告します。
直属の上司はもちろん、仕事上フォローをすることになる人へ申し送りを兼ねて連絡を入れるのを忘れないように気をつけましょう。そして葬儀後は、葬儀を終えた報告とお礼を伝えます。
忌引き休暇申請の際に会葬礼状の提出を求められる場合もありますが、家族葬が増えた昨今、必ずしも会葬礼状を用意している訳ではありません。
その場合は以下のもので代用できます。ただし、会社によっては認められない場合もありますので、あらかじめ総務で確認しておきましょう。
- 死亡診断書のコピー
- 火葬許可証のコピー
- 会葬礼状
- 葬儀施行証明書
まとめ|慶弔休暇のルールは会社によって異なる
慶弔休暇は会社が特別に設けている休暇です。
弔事以外、年次有給休暇のように堂々と申請しても結構です。弔事の際は、心身共に疲弊していることも多いでしょう。
それでも、お互い助け合いの精神であることを忘れず、業務や人間関係に支障をきたさないよう、相手を思いやった上休暇を取ることが大切です。