日本では土葬をするのが難しい?土葬する場合は土地や墓地探しが重要なポイント

日本では土葬をするのが難しい?土葬する場合は土地や墓地探しが重要なポイント

日本における火葬の割合はほぼ100%に近く、土葬を行う割合は約0.03%と非常に少ないです。

現代では土地不足と衛生上の問題を懸念して土葬文化は姿を消しましたが、実は明治時代までは日本でも埋葬の主流は土葬でした。日本の埋葬に関する法律でも、火葬と並んで土葬のことが明記されています。

また、現在でも一部の墓地や地域では土葬が可能です。しかし、土葬ができる場所は非常に限られているため、事前に検索しておく必要があります。

実際に土葬をしたい場合はどうしたらよいのでしょうか。日本での土葬の歴史や問題点、実際に土葬を行う場合の注意点やポイントを詳しく解説します。

日本で土葬することは可能だが行える墓地が殆どないのが現実

日本の埋葬といえば、今では火葬が前提です。日本で土葬の葬儀に立ち会った経験がある方はほとんどいないでしょう。

しかし、日本でも土葬をしてはいけないというわけでなく、実際に現在有効の法律でも土葬を禁じてはいません。

日本での土葬に関する法律と、実際に土葬可能な墓地を紹介します。

法律上、日本では火葬に加えて土葬を行うことは可能

日本での埋葬や墓地に関することは「墓地、埋葬等に関する法律」に明記されています。この法律でまず注目すべきは以下の部分です。

第2条 この法律で「埋葬」とは、死体(妊娠四箇月以上の死胎を含む。以下同じ。)を土中に葬ることをいう。

「墓地、埋葬等に関する法律」第2条

つまり、法律の指す「埋葬」とは土葬のことで、「火葬」とは区別しており、禁止してはいないのです。

また、次の第3条では「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない」とあります。

つまり、死後24時間経過していれば、土葬も火葬と同様可能というわけです。

実は、日本では明治時代の半ば頃までは大半の死者が土葬されていました。その時期は火葬の割合はわずか一割程度です。昭和に入ってもしばらくは土葬が優勢で、昭和40年頃で火葬の割合は30%ほど。それが今ではほぼ100%と、急速に火葬が広まりました。

しかし、このように土葬の歴史のほうが遥かに長いため、完全に排除するわけにはいかないという事情もあるのでしょう。

埋葬法の第一条では「国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から」とあります。法律にもあるように、遺体に関することは、国民それぞれの宗教的感情を無視できません。そして、同時に公衆衛生の問題も関わっています。

土葬を許可している自治体や墓地は非常に少ない

実際に日本で土葬が可能かどうかは、各地方自治体の取り決めによります。埋葬は各市町村の許可を受ける必要があるのです。

東京都では実質的に土葬を行うのは不可能と考えられています。それは、東京都のかなりの部分が「土葬禁止区域」に指定されているからです。

また、地域によって可能であっても、「土葬の際は深さ2m以上にしなければならない」と、かなり困難な条件が定められていることも。それも公衆衛生を配慮してのことで、仕方のないことではあるでしょう。

そして、実際に土葬するとなると人里離れた僻地になってしまうことが多いです。霊園はとても貴重な存在なので、土葬が可能な日本の霊園を紹介します。

「風の丘霊園」

山梨県の南アルプスを望む自然豊かで風光明媚な霊園「風の丘霊園」。自由区画の中に土葬が可能な区画があります。

「土葬霊園 朱雀の郷」

場所は茨城県常総市で、首都圏で初めての土葬可能な貴重な霊園。バリアフリーのため高齢の方や身体が不自由な方も訪れやすいです。

「よいち霊園(余市霊園)」

北海道余市郡余市町にある霊園。宗教法人妙徳教会が管理しており、元々はキリスト教の方のための霊園でしたが、最近ではイスラム教徒の方も埋葬できるようになりました。

「神道霊園」

山梨県山梨市にある神道系の霊園です。土葬による神道埋葬が行えます。

イスラム教徒(ムスリム)の土葬専用墓地が住民から拒絶される

日本古来の宗教である神道は土葬の伝統がありますが、現状では土葬が可能な場所は限られています。霊園ではなく、一部の集落で土葬を行っていますが、それもごくまれなケースで、土葬自体嫌煙する方も増えているようです。

しかし、日本人の多くが火葬を受け入れても、宗教上の理由などから火葬ができない方もいます。日本に住むイスラム教徒(ムスリム)の方は、墓地探しに苦慮しているのです。

大分県日出町にイスラム教徒の方のための土葬可能な墓地の開設が計画されていますが、地元の住民から反対されています。

住民は墓地からの排水を懸念しており、「世界中で土葬は行われているが問題がない」と説明しても、最早土葬が日常的ではない日本人には受け入れがたいようです。

しかし、埋葬法でも「宗教的感情に適合し」とあるため、公衆衛生上の懸念はあっても、土葬を望む方を無視するというわけにはいきません。非常に難しい問題です。

土葬を行う際に確認しておくポイント

土葬を行う際に確認しておくポイント

実際に日本で土葬を行う際、どうすればよいのでしょうか。知っておくべきポイントを解説します。

自治体の条例で土葬が禁止されていないかチェック

自治体で土葬禁止区域であっても、場合によっては土葬ができると記載されていることもありますが、そうした区域の霊園が土葬を受け入れている可能性は低いでしょう。

土葬禁止区域での土葬は実質できないので、そうした地域は除外します。

土葬が可能な霊園を探す

日本で土葬を行っている霊園や集落は限られており、そうでない場所で土葬を受け入れてもらうことは難しいです。

現状で土葬を行っている霊園をピックアップしておきましょう。立地的にその場所でよい場合、土葬という選択肢が選べます。

埋葬許可証が必要

遺体を火葬する際は火葬場に火葬許可証を提出する必要がありますが、土葬を行う際には各市区町村役場が発行する埋葬許可証が必要となります。

ちなみに、埋葬許可証は火葬した後納骨する際に必要と考えている方もいるようですが、これは誤解で埋葬許可証とは土葬を許可する書類のことです。

事前に墓地の確保が必要

日本では土葬が可能な霊園はほとんどありません。火葬しないからこそ、亡くなってから慌てて霊園を探すのでは土葬するのは難しいでしょう。生前から土葬を希望して墓地を確保しておく必要があります。

現在土葬を行っていない霊園や寺に相談してみることはできますが、承諾してもらうのは難しいでしょう。

費用は50万円~300万円ほど

土葬には50万円~300万円くらいの費用が必要です。場所によっては遺体を霊園まで移動するための費用や、遺体保存のためにエバーミングの費用が必要になります。

まとめ 日本で土葬する場合は情報収集をしっかり行う必要がある

火葬がほぼ100%と、弔い方として火葬が浸透している日本では土葬を望んでもかなり難しいです。

だからこそ、土葬を望む場合は、あらかじめ土葬可能な霊園や場所に足を運び、管理している方に話を聞いておく必要があるでしょう。

しかし、イスラム教徒の方の件をみても、絶対に土葬ができないという環境は多様性の観点から問題はあります。宗教上の理由などで火葬したくない方が納得のいく埋葬ができないのはよいことではありません。

日本人の埋葬の主流が再び土葬になりそうはありませんが、今後も埋葬の問題は議論され続けることでしょう。

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