散骨も宇宙時代!山・海・空と多様な散骨を考える

散骨も宇宙時代!山・海・空と多様な散骨を考える

散骨はまだ少数派ですが、実は古来よりある弔い方のひとつです。

散骨=海とのイメージが強いですが、今や散骨の形も多様化をみせ、終の住処もいよいよ宇宙に・・・。

月が墓標となる時代もまもなく訪れようとしています。新しい「宇宙散骨」も含めて、現在ある様々な散骨のスタイルをご紹介します。

散骨の歴史と代表的な散骨方法

散骨は古来よりあった葬送の一つであり、基本は現在主流である散骨方法と変わりはありません。まずは散骨の歴史と散骨の基本的なスタイルを解説します。

散骨の歴史

“玉梓(たまずさ)の妹は玉かもあしひきの清き山辺(やまへ)に撒けば散りぬる” (万葉集 1415番)

訳:妻の体は美しい玉の飾りであったのか骨をきれいな山かげに撒いたら散ってしまったよ

※玉とは勾玉のような加工された天然石。おそらくネックレスかブレスレットと思われる。

これは万葉集で妻を散骨した夫の気持ちを詠んだものです。本来、散骨とは日本古来からある自然葬のことでもあります。

万葉集や続日本記から、散骨は奈良時代からあったことがわかっています。

インドから伝わった散骨は、当時の日本では庶民の間で行われ、高貴な身分の人々は墓に入ることが一般的でした。

しかし、たまに散骨を希望する人もおり、天皇家でも幾人かは散骨をされたとの記録が残っています。第53代天皇・淳和天皇もその中の一人です。火葬を望んだ持統天皇といい、その時代の天皇も時代の流れに敏感だったのかもしれません。

それ以降、散骨をされる天皇が続き、平安時代に入ると散骨は主流となっていました。

ではなぜそれが途絶えてしまったのでしょうか?

江戸時代、それまであった檀家制度を用いて寺請制度(てらうけせいど)を導入。実は、キリシタンを排除する目的もあったのです。

幕府はお寺にその土地の住民の管理、正しくは今でいう戸籍の管理を担わせ、寺から発行される証文がなければ、住民はその土地から出ることができませんでした。おまけに必ずどこかのお寺の所属とならなければならず、必然と檀家になり、仏教様式が生活に根付いていくこととなったのです。

こうして、散骨の歴史は寺請制度の始まりとともにおわりを告げたのでした。

しかし現在では、散骨は地球を墓標とした壮大なロマンとなって進化を遂げます。近年誕生した、さまざまな散骨について解説します。

散骨の主流は「海洋散骨」と「山林散骨」

現在、散骨においてポピュラーなのが海洋散骨と山林散骨の二つです。

島国である日本は海に囲まれ、背後には山がそびえる、自然豊かな風土を持っています。広島県・厳島神社、茨城県の大洗磯前神社などに見られる海に浮かぶ神社、そして日本の象徴でもあり霊峰として山岳信仰の中心地でもある富士山。仏教でありながらも八百万といった神道の要素も残る日本特有の信仰心は、海と山にも神様を宿らせました。

そこに骨を捨てるのではなく命の源へ還えすとの考えが、現代に生きる人々のDNAの中にも在るのかもしれません。

散骨は海・山・空、そして宇宙へと!

散骨は昔から行われていた弔い方でしたが、近年さまざまな散骨の方法がでていています。

それぞれを詳しく解説します。

墓標は大自然・母なる地球

散骨は大自然に遺骨を還すもの。墓標は大自然、つまり地球そのものなのです。

散骨は主に大きく4つのカテゴリーにわけられます。

海洋散⾻

船で沖まで出て、海洋にて散骨をします。儀式色が強く、参加した遺族にも特別感が感じられるようです。

海洋散骨といってもその方法は一つではありません。

  • 船を貸し切って散骨
  • 他家遺族たちと船を相乗りする合同散骨
  • 業者に代行依頼

選択の幅があるので利用しやすいです。料金は依頼方法によって大きく異なります。

3万5千円~30万円位です。

散骨ブームの元祖でもある海洋散骨。

1987年、昭和の大スター石原裕次郎さんが相模湾に散骨されたことで、海洋散骨ブームが巻き起こりました。ヨットと海を愛した裕次郎さんにはぴったりの弔い方法であったといえるでしょう。

同じく、ボートを愛してやまなかった天才漫才師の横山やすしさんもまた所縁のある、厳島神社を臨むボートレース宮島で散骨のセレモニーが行われました。

今もなお、有名人の間では海洋散骨が人気です。

みんなの海洋散骨

⼭林散⾻

散骨は専用の山で行われます。その山全体が墓標となるので、遠くからでも故人を感じることができるのです。

故人も、常に家族を見守ることができるので、いつまでも繋がりを感じ続けられるでしょう。

山登りが好きだった人、大地に還りたいと願う人にも向いています。

山林散骨に近いのが森林散骨。こちらも山であることもありますが、多くはお寺が所有する雑木林や竹林が主です。

お墓と同じく一区画購入形式である樹林葬と比べてると、かなりリーズナブルです。双方とも定期的に供養が執り行われますので、お一人様や墓じまい後の永眠先をお探しの方には向いています。

料金は3万円前後~5万円程です。

さんりんそう

お寺さんの森林散骨

空葬散⾻

空葬散骨には二種類あります。

一つはバルーン(大きな風船)に遺骨を入れて空に放つもの。バルーンは成層圏まで上がると3時間後に気圧の影響で破裂し、遺灰は地球を周回するという仕組みです。このバルーン葬のメリットは国内で行えるということです。

業者によってはバルーンが上ってゆく様子をドローンで撮影してくれるサービスもあります。こちらも宇宙葬と同じく、多くの遺族と同じ空間同じ時を共有することでグリーフケアにもなります。色取り取りのバルーンが一斉に空へと上がってゆく光景は、遺族の気持ちを癒してくれるかもしれません。

費用は25万円前後です。

バルーン宇宙葬

そしてもう一つの方法はヘリコプターによる散骨です。

ヘリコプターをチャーターして、自宅や故人の希望の場所の上空を周回飛行した後、海に出て散骨します。

費用は50万円程です。※飛行時間延長の場合は別途費用発生

サン・ライフ(神奈川・東京)

最後に、現在はまだ行われてはいませんが、ドローンによる散骨も近々行われる予定です。ドローンの飛行には免許制等の法規制があるため、それをクリアすれば新たな空葬散骨として注目を集めることでしょう。

涙そうそう

新たな散骨の形:宇宙葬

新たな散骨の形:宇宙葬

いわゆる宇宙葬には主に四通りの方法があります。

  • 大気圏散骨
  • 月面散骨
  • 人工衛星による地球周回
  • 完全な宇宙葬

現在、宇宙散骨として行われているのが大気圏散骨です。

大気圏散骨

ロケットで打ち上げて、流れ星となって地球に戻るのを家族が見守ります。料金は葬送代自体は30~50万円平均。ただし、流れ星で戻ってくるところを見るために、そのほとんどがオーストラリアへ渡航します。渡航費用は別途発生します。業者によってはロケット発射を見届けることもできます。

宇宙葬はイベント性も高く、星空の下、遺族たちが一堂に会することでグリーフケアの効果も得られやすいというメリットがあります。

費用は30万円前後~50万円程。※渡航費用等は別途発生

sorae

スペースメモリアル

月面散骨

ロケットで打ち上げるのは大気圏散骨と同じですが、その後、燃え尽きることはありません。ロケットで大気圏を突破した後、そこから月へと向かいます。そしてアポロと同じように小さな小さな着陸船が月面に降り立ちます。そこが墓となります。

こちらはアメリカのエリジウム社やセレスティス社が手がけており、料金は日本円で120万円以上。

※遺灰の量によって価格が変動

エリジウム社は残念ながら予約終了となっていますが、セレスティス社ではまだ予約を受け付けています。最初の打ち上げは2021年もしくは2022年と予告されています。

ELYSIUM SPACE (日本語対応)

人工衛星 / 完全な宇宙葬

そしてスタートレックや銀河鉄道999などに心ときめかせた方々に究極の宇宙葬をご紹介!

宇宙葬で実績のあるアメリカのセレスティス社の日本正規代理店があり、本格的な宇宙葬を提供しています。

宇宙飛行士になるのが夢、死後、深宇宙を探検したい!そう願う人には最高の散骨方法であります。

ただ、現在行われているのは一般的であるロケット打ち上げによる大気圏散骨と、人工衛星で地球を周回するコースのみとなっています。

人工衛星はGPSで追跡可能であり、自宅のPCなどで故人が今どの辺りを飛んでいるのかがわかります。

夜空に瞬く星の中で輝くのも、とてもロマンティックですね。

  • ロケット打ち上げによる宇宙葬 45万円~
  • 月面散骨 250万円~
  • 人工衛星による地球周回 95万円~
  • 宇宙帆船で宇宙を航行 250万円~

※すべてのコースで遺灰の量によって価格が変動

※打ち上げはすべてアメリカで行われます

※現地でのお見送り可能。ただし別途渡航費用等発生

スペースメモリアル

Celestis / MEMORIAL SPACEFLIGHTS

散骨を依頼する際の注意点

散骨の費用は様々ではありますが、中には高額なものもあります。

数ある中から故人もしくは自分にあった散骨方法をせっかく見つけても、トラブルが起きたら台無しです。どんなに小さなことでも疑問があれば、申し込む前に遠慮なく業者に質問しましょう。信頼できる業者であれば、とことん納得ゆくまで説明してくれます。契約を急かすようなところであれば、一旦見送った方が賢明です。

まとめ 散骨は古くて新しい弔いの形

散骨は古代では火葬と並んで最も古い葬送の方法でした。

江戸時代には姿を消してしまった散骨が現代にその存在感をあらわし、時代が求める弔いの新たなモデルとなり得る可能性を持っています。

散骨は、土地・相続・供養といった墓に関わる問題をすべて解決してくれ葬送として、需要が高まってくるでしょう。 

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