一切皆苦(いっさいかいく)とは|釈迦が悟った教えを口語で解説

投稿:2022-01-20
一切皆苦(いっさいかいく)とは|釈迦が悟った教えを口語で解説

人生は思い通りにならない「一切皆苦」の「苦」の意味を解説

人生は思い通りにならない「一切皆苦」の「苦」の意味を解説

仏教の出発点である教えの「一切皆苦」は、単純な苦しみを指しているわけではありません。

では、一切皆苦が指している「苦」とはどのような苦しみなのでしょうか?一切皆苦の苦の意味を解説します。

生きていく上で避けられない「四苦八苦」

まずは、自分ではどうにもならない「四苦八苦」です。

「四苦」とは「生老病死」のことで、誰もが避けられない苦しみを指しています。

  1. 生きる苦しみ
  2. 老いる苦しみ
  3. 病気の苦しみ
  4. 死ぬ苦しみ

そして「八苦」は誰もが必ず経験する4つ苦しみのことです。

  1. 求不得苦(ぐふとくく):お金、地位、名誉、物など手にはらないものがある苦しみ
  2. 怨憎会苦(おんぞうえく):妬みや憎しみなど嫌な感情を抱く人と出会う苦しみ
  3. 愛別離苦(あいべつりく):どんなに愛する人でも、いつか必ず別れが訪れる苦しみ
  4. 五蘊盛苦(ごうんじょうく):体や心が思うようにコントロールできない苦しみ

一切皆苦の「苦」は、生きていく上で誰もが必ず直面する苦しみである「四苦八苦」を意味しています。

煩悩による苦「三毒」〜貪・瞋・癡(とん・じん・ち)

仏教の教えをきちんと理解できても、四苦八苦による苦しみがなくなるわけではありません。

「この世界は全て苦しいものだから仕方ない」とわかっていても、病気になれば苦しいのは当たり前です。

仏教の教えは四苦八苦を解決するのではなく、主に「三毒」と呼ばれる煩悩による苦から開放される方法を説いています。

三毒とは仏教では、克服すべきものとされる最も根本的な3つの煩悩「貪・瞋・癡(とん・じん・ち)」のことです。

  1. 貪:貪欲。必要以上に求める心。欲や貪り。
  2. 瞋:瞋恚。怒りの心。憎しみ。
  3. 癡・痴:愚痴。真理に対する無知の心。愚かさ。

四苦八苦は誰も避けられない苦しみですが、自分から出てくる煩悩は無くすことができます。

一切皆苦の「苦」の意味には「三毒」も含まれており、仏教では三毒から解放されることで安らぎの世界に行けると教えを説いています。

一切皆苦は人生をラクに生きるための仏教用語

一切皆苦の意味自体は「この世界の全てのものは苦しみである」と悲観的ですが、受け入れることで苦しみから開放され、心がラクになると解決方法を示しているのが仏教の教えです。

要するに「一切皆苦」とは、人生をラクに生きるために気付くべきことであり、心を安らかにするためのアドバイスだと言えるでしょう。

どうしようもない苦しみに悩んだときは、この世界は「一切皆苦」であり、苦しいことは仕方ないと気付くことで気がラクになるかもしれませんね。

著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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