もくじ
祖母に包む香典の書き方と渡し方
香典の書き方と渡し方には、決まったマナーがあります。香典には不祝儀袋を用意し、表書きと中包み(中袋)に、住所・名前・香典金額の記入が必要です。
宗派によって香典の表書きは異なる
香典には表書きが必要ですが、宗教により書く言葉が変わります。
仏式の表書きは「御霊前」「御香料」「御香典」
日本の葬式の9割程度は仏式により行われており、香典袋の表書きには、御霊前・御香料・御香典と書きます。
仏教には亡くなった直後は御霊となり、49日の忌明けの法要を経て仏になる考え方があるので、御仏前とは書きません。
香典袋には無地か、蓮の花が描かれたものを使用するのが一般的です。
仏教には様々な宗派がありますが、日本の最大宗派は浄土真宗です。浄土真宗では人間は死後すぐに成仏すると考えられているため、霊という概念が存在しません。したがって、香典の表書きは御仏前とします。
もし宗派が分からない場合は、御香典すると問題はないでしょう。
神式の表書きは「御玉串料」「御神前」「御榊料」「御霊前」
葬儀では仏教が主流ですが、正月の初詣や慶事などでは神式の場合も多いです。日本には神式を信仰する習慣が根付いており、神式では故人は守護神となります。
神式での香典袋は、御玉串料・御神前・御榊料(おんさかきりょう)・御霊前と書きます。
香典袋は、無地のものが一般的です。
キリスト教の表書き|カトリックは「御ミサ料」プロテスタントは「献花代」
キリスト教での香典袋は、献花料・御霊前と書きます。
その中でも、カトリックでは御ミサ料、プロテスタントでは献花代・弔慰料と書きます。
プロテスタントでは、御霊前を使うとマナー違反になるため注意が必要です。
キリスト教での香典袋には、百合や十字架が描かれているものを使用してください。
香典の表書きや名前を書く際は「薄墨」を使用する
昔は文字を書く際には、墨をすっていました。
薄墨は急な訃報で墨をゆっくりとする時間がなく、かつ悲しみの涙で墨が薄くなってしまった事を表しています。
現在普通の墨で表書きを書いてもマナー違反にはあたりませんが、伝統にならうなら文具店やコンビニでも薄墨用の筆ペンを購入し書くのが良いでしょう。
香典金額を書く際は難しい漢数字「旧字体」を使用する
香典の中袋には包んだ金額を書きますが、遺族が香典を管理する際に分かりやすくする目的があります。
この時注意したいのは、数字の改ざんを防ぐために金額は旧字体で書くことです。
▼旧字体例
- 一→壱
- 二→弐
- 三→参
- 十→拾
- 万→萬
- 円→圓
例えば30,000円を包むのであれば、「金参萬円也」と書きます。横書きの場合は、アラビア数字で30,000円と表記して構いません。
香典金額を記載した中包みにお金を入れてから、上包みにいれる
香典には上包みと中包み(中袋)がありますが、お金を中包みに入れてから上包みにいれます。
中包みは市販されている香典袋に付属していますが、「不幸が重なる」として中包みを使わない地域もあるので、不安な場合は年長者に確認すると良いです。
その場合は、上包みの裏側に金額を書いておくようにしましょう。
お札は人物が書いてあるほうが表面なので、表面をあえて下にして入れることで、悲しみのあまりに顔を伏せている様子を表します。
またお札には上下もあり、人物が書いてあるほうを下にして、向きを揃えて入れましょう。
中包みを上包みに入れる際には、水引をはずすのではなく、香典袋を裏返し、下の折り目をそっと引き抜きます。
引き抜いた下側から中包を中へと差し込んで入れ、引き抜いた下側の折り目を元通りにしてください。
香典は寒色の袱紗に包んで持参する
香典袋は紫などの寒色系の袱紗(ふくさ)にいれて、式場まで持参しましょう。
袱紗を広げて香典袋を中央に置き、右→下→上→左という順番で袱紗を畳み、香典袋を包みます。
受付で香典を渡す直前に出し、香典は相手から表書きが読めるように持ち替え、袱紗の上にのせて受付の方へと渡します。
袱紗を準備するのを忘れた場合は、無地の黒か紫のハンカチなどで代用してください。
香典を渡す際は、「この度はご愁傷様でございます。」などのお悔やみの言葉を簡潔に述べましょう。
まとめ〜祖母の葬儀に包む香典の金額相場は年齢や状況によって異なる
祖母との関係を基に相場を参考にして、香典を包むと良いです。その他にも、香典は周りとの調和も非常に大事です。
疑問に思ったことは年長者や参列者に相談して、自分だけが浮くことのないようにしましょう。