群馬県のお葬式では香典を多く包むと困惑される?新生活運動と参列者に負担が少ない葬儀

投稿:2021-12-06
群馬県のお葬式では香典を多く包むと困惑される?新生活運動と参列者に負担が少ない葬儀

群馬県を語る上で欠かせない新生活運動とは?

群馬県を語る上で欠かせない新生活運動とは?

群馬県含む北関東で、現在も冠婚葬祭に適用されている慣習が新生活運動です。

昭和22年、戦後復興の中で封建的な習わしを見直して生活を向上させる思想が起こりました。昭和30年鳩山内閣においてさらにそれを発展させ、首相誘導の下、住民自らの意思と良識を持って生活の向上を目指す新生活運動を発足し、各自治体へと広がります。

冠婚葬祭にお金がかかるのは当たり前との慣習は、まだ戦後復興の途にある人々の生活をひっ迫させており、新生活運動で冠婚葬祭を簡略化して、国民の生活向上を目指しました。

現在でも北関東、およびその近郊の県で新生活運動は残っていますが、群馬県ほどではありません。

新生活運動を取り入れている地域では、結婚式の披露宴の簡素化と会費制を導入、葬儀には香典返しが不要となる金額を包み、供花などの供物品を出すならば現金を渡すなど、生活に密着した、生活にやさしい冠婚葬祭を行なっています。

香典は一律1,000円?高崎市も推奨

群馬県内でも高崎市は市をあげて、新生活運動の啓蒙に努めています。そのため、高崎市の葬儀での会葬御礼は御礼状のみの事が多く、新生活を知らない他地域の人を驚かせる事があります。

この新生活は「真に豊かな生活のため」と、高崎市のHP内でも説明があるほどです。

ただし、高崎市の人が他地域の葬儀の香典に新生活そのままで1,000円を包んでしまうと「お札の入れ間違え?」あるいは顰蹙を買う可能性もあるので、県外の葬儀で香典を渡す際は少なくとも3,000円を包み、香典返し不要と一筆したためておくと良いでしょう。

高崎市 新生活運動の推進

香典を渡す際、葬儀受付は3つある

群馬県の葬儀に初めて出席して戸惑うのが、受付の数です。通常は一般と会社関係の二つですが、群馬県では新生活専用の受付も設けられています。

香典を新生活で出す際は専用の香典袋を使うか、あらかじめ香典返し不要と印刷された新生活シールを香典袋の左端に貼る、もしくはその旨を手書きで記しておきます。手書きの場合はさらに香典不要との一筆を書き足しておくといいでしょう。

例:「新生活の趣旨に添って お返しを辞退します」

もしも新生活が明記されていない香典を一般で受付すると、香典返しが送られてくる事もあり、遺族の負担を減らすための新生活がかえって負担を与えてしまう事になりますので、受付の際は表書きを確認しましょう。

新生活で5,000円の香典は困惑される

新生活での香典の相場は1,000円~2,000円です。他地域の人の場合、気がひけるので5,000円を包む事があるようですが、実は遺族側にとって心理的負担になりかねません。また、高齢者の中には相場よりも多い香典を不躾だと感じる人もいます。

5,000円の香典ならば、一般扱いでお渡しします。結果、どちらも遺族に渡る金額に変わりはありませんが、新生活運動は香典返しの手間を省くためでもあります。

香典返しは会葬御礼で即日返し、後日返しはない

基本的に、香典返しはありません。500円ほどの会葬御礼が渡されるのみです。ただし、会社関係や他地域からの参列者からの香典は一般的な金額である事が多く、高額香典に対しては後日返しを行う場合もあります。

新生活を知る者同士には大変合理的なのですが、それを知らない地域の人々には礼儀に欠けると誤解されて、ちょとしたトラブルになる事もあるようです。

まとめ 群馬県は地元よりも家のしきたりに従うところが大きい

新生活運動は県内全域に根付いているとは言え、会葬者へのもてなしや香典返しなどは喪家によるところが大きく、地元の慣習と異なる場合があります。

新生活運動、そして社会変容に伴い葬儀が地域から家単位へと縮小した事で、昔からのしきたりが人々の記憶から薄れてしまった事が理由にあげられます。

群馬県で葬儀に参列する際、通夜と葬儀告別式どちらに出席すればいいのかなど、喪家もしくは葬儀社などにあらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。

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著者:葬儀のデスク編集部
葬儀のデスク編集部
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